カープ2016打線好調の要因と福井優也不調の原因について
昨日の試合は投手陣の軸として期待される福井が5回持たずにKOされるも、今やセ界最強打線と言っても過言ではないカープ打線が爆発し、見事に逆転勝利を飾りました。
今年のカープ打線はスイングが強靭
今年のカープ打線はとにかくスイングが鋭く強靭です。
やっぱり秋のキャンプから振って振って振りまくっただけあります。
バットを振って振って振りまくる練習の何が良いかと言えば、身体がフラフラになった時に力感ないスイングを自然と心がけるようになる事です。
投手の投げ込みの意味もそういう所にあって、これはある意味時代錯誤の練習っぽいですが、打者がバットを振り込むのは投手が投げ込むのとは違い肩も消耗しません。
そして力感ないスイングというのはどういうスイングかと言えば全身を使ったスイングです。
つまり下半身が開き上半身は開かず割れを作って、上半身と下半身のねじれを解消する動きを活かすスイングです。
巨人阿部の言っているツイスト打法も突き詰めるとそういう打法で、今年のカープ打線を見ていると自然と巨人阿部の言っているツイスト打法の原理を体得している選手が多いです。
ちなみに今年のカープの打者は内角の球をさばくときに窮屈にならず、小さくジャンプして打つ選手が多いですが、ああいう感じでその場で小さくジャンプしているというのはモロツイスト打法の原理です。
あの打ち方ができれば低めの球や落ちる球に対してもスイング軌道で対応するのではなく身体そのものを低く落とす事で対応できるようになって良い事ずくめです。
結局上半身と下半身の割れをしっかり作り、上半身と下半身のねじれを解消する動きでスイングスピードを生み出す、というのが身体への負荷も少なく強靭に振れるスイングです。
今のカープの打者たちは秋からバットを振り込みまくったおかげで、自然と身体が理に適ったスイングを体得した感じで頼もしいです。
これから他チームのエース格と当たることも増えると思いますが、打てる球を見極め打てる球をしっかり叩けば間違いなく結果もついてきます。
意図のある攻めも見れて頼もしい
最近はルナが故障してサードは堂林と安倍の併用となっています。
去年までの安部はバッティングに意図というものが全く感じられずちょっと残念な選手という印象が強かったです。
ただ今年の安部は違います。スイング自体も鋭いですが、何よりバッティングに意図を感じます。
先日の試合でも誠也が1塁ランナーにいる時に、エンドランでライト方向に打ってタイムリーになっていましたが、ああいう場面ではしっかり1,2塁間を狙ったスイングをしています。
スイング自体が強靭でも攻撃に意図がないと長打でしか点が取れない打線になりますが、今年のカープはスイング事態が強靭でさらに攻撃に意図があります。
安部だけでなく田中も1番バッターとして頼もしいですし菊池と丸も復調というか2014年をさらにスケールアップさせたような印象で、誠也も今年はブレイクの年になりそうですしエルドレッドも強引さがなく新井もモチベーションの高い状態が続いています。
福井優也の投球フォームが心配
という訳で打線はかなり楽しみな今年のカープですが、今年はじめて見た福井のピッチングがかなり気になりました。
もともと今年の福井は表ローテで10勝を期待されていましたが、今のところは1勝しかできていません。
昨日見た感じのピッチングでは正直言って2014年前半までのピッチングとなっていて、これはだめだという感じでした。
去年の福井はコントロールはそこそこ荒れるものの、コマンド自体は結構良くキャッチャーの構えるミットにそのままスパーンと収まる球が多かったです。
コントロールは荒れるけどコマンドはわりと正確、というのは矛盾しているようですが、実際に去年の福井はそういう感じでした。
ところが昨日の福井はキャッチャーのミットにそのままスパーンと収まる球はほとんどなく、ほぼ全ての球が狙いと微妙にずれた感じになっていました。
つま先体重の時の福井は全然だめ
個人的に福井が覚醒したのは2014年の後半戦だったと思っています。
阪神戦でメッセンジャーと投げ合い完投勝利を挙げた試合です。9回表にマウンドに出て来る福井にスタンドから大声援が送られた試合で、あの試合は個人的にもかなり印象に残っています。
福井の良い時と悪い時の違いは基本的にひとつで、右足1本で立った時に足の裏全体で身体を支えられているかつま先体重になっているかがポイントです。
昨日の福井を見るともろつま先体重になっていて、上半身は前かがみになって腕も縦に振れないし全然だめなときの福井でした。
つま先体重になると身体が全体的に前かがみになって軸回転がブレて腕も縦に振れなくなります。
さらにつま先体重だと膝が変な形で曲がりますし足首も余計な力が入って固くなってしまいます。
その結果カーブが全く制御できなくなりますが、昨日も1,2回にちょろっとカーブを投げて全く制御できず、3回以降はほぼカーブを投げませんでした。
しかも上体が前かがみ腕が縦に振れないから腕を振ろうとしてもぜんぜん腕が振れず、本人は一生懸命投げてるつもりでも球速も球のキレも出ないです。
福井復調のイメージはソフトバンクの武田翔太
昨日の福井はとにかく残念なフォームで良い結果の出にくいフォームでしたが、去年の福井は良いフォームで良い結果の出やすいピッチングができていました。
去年できていた事が今年できていないとしても、それは去年の良い時の状態を思い出して再現すれば良いだけなので修正は比較的簡単です。
マウンドで立つ時に左足を少し後ろに引いて、右足の裏全体で体重を支えるように意識すれば良いだけです。
あとはイメージ的にソフトバンクの武田翔太のフォームを意識するのも良いかもしれないと思いました。
武田といえばドロンと落ちる独特なカーブが武器ですが、あのカーブを投げられる要因は身体の軸が背中側にある事です。
※参考に動画を置いておきます。
投げる時に胸を張って体重を背中側にすることで、腕も高くまで上がり身体の回転軸の中心に近い所にきます。だから軸回転をした時に腕も自然と振られる形になります。
もちろん武田のあのフォームをそのまま真似るのはかなり難易度が高いですが、イメージとして意識するのは効果的かと思います。
一度どん底まで落ちてそこから這い上がってきた福井なので、この位の不調はすぐに乗り越えてまた良いピッチングを見せてくれるはずだと信じています。