日本シリーズでもいつも通りのカープ野球が観たい
2016/10/28
もともとどちらかがワンサイドで制する日本シリーズにはならないだろうな、と思っていましたが、これでカープの2勝3敗となりました。
結果だけ見ると内弁慶シリーズになっていて、カープは本拠地ズムスタで2連勝、札幌ドームに来て連敗、となっています。
札幌ドームでは日ハムのムードに飲まれた感があり
本当に両チームの実力が拮抗していて、一球一球のストライクボールの判定、ランナーのセーフアウトの判定、そういったひとつひとつの判定がかなり大きな意味を帯びてきています。
正直あの判定があれだったら、とか色々思うところもありますが、まぁ日ハムの中でも乗せたら困る選手に結果を出させてしまい、球場がハムムード全開になってアンパイアのジャッジの基準が可変した感じもしなくはないです。
ただこういった空気も含めて日本シリーズという短期決戦ですし、ズムスタではカープ寄りの判定もありますし、こんな一球一球痺れる空気感を今のカープの選手たちは経験できているのはきっと大きな財産になっています。
ちなみに今日は7回の裏から見たんですが、今村の1,2球目を見て身体の開きがこれでもかという位早かったのでこれはヤバいなぁと思っていました。
また石原のバッティングがまた背筋伸ばし気味になっているので重心バランスを取るためにグリップが身体から離れているのも少し気になりました。
緒方監督の勝負勘にも冴えがなく、すぐ送りバントを使う少し消極的に見える作戦や、無謀な走塁での走塁死も多くなっています。
今年のカープの野球で個人的に面白いと思っているところ
今年のカープの野球を見て個人的に面白いと思っているのは、ひとつひとつのアウトの使い方です。
去年と違い簡単に送りバントをすることも少なくなりましたし、ランナーを意識させてバッター有利の状況を作ったり、四球で出塁しアウトカウントを増やさずランナーを進めたり、といったところが個人的には今年のカープの強さの一因だったと思っています。
そしてそれを実践するために必要な能力が、ボール球を振らない、という能力です。
ちなみに12球団全体のボール球スイング率を見ると
ヤクルト 27.7%
カープ 28.5%
西武 28.5%
日ハム 29.5%
ソフトバンク 30.2%
阪神 30.4%
ロッテ 30.5%
楽天 31.6%
中日 31.7%
オリックス 31.9%
読売 32.1%
DeNA 33.5%
です。
データでも今年のカープの選手はボール球には手を出さない、簡単にアウトにならないで相手バッテリーを追い詰めていく、打てる球を思い切り打つバッティングができていました。
さらにカープには俊足の選手が多く、ただ一塁にランナーがいるだけで相手バッテリーはピッチングの選択肢が狭まっている状況です。
もちろん短期決戦は1点の重みが増すので重要な場面では送りバントも必要ですが、もう少しランナーの足を活かす(盗塁をするという事ではなく、一塁ランナーが相手バッテリーにプレッシャーをかける)ことも活用して欲しいと思っています。
ランナーがプレッシャーをかける事で相手バッテリーのピッチングの幅は狭まりますし、さらにカープの打者はボール球に手を出さない打者が多いわけですから、もう相手バッテリーはお手上げです。
結局投げるボールがなくなり四球を出して、アウトカウントは増えずにランナーだけ溜まりピッチングが苦しくなる、とか。
そういう試合展開がシーズン中は多かっただけに、日本シリーズではすぐ送りバントを使いタイムリーに期待する野球しか見られないのは少し残念です。
地に足のついた強者のカープ野球を取り戻す為に必要な選手
北海道での戦いを終えたカープは再度広島に戻り、残りの試合はカープの本拠地ズムスタで行えます。
札幌で日ハムのムードに少し飲まれた試合展開もありましたが、あと2戦は本拠地で戦えますし今年のシーズンを勝ち抜いた強いチームの戦い方を思い出してくれればうれしいです。
地に足のついたカープ野球は本当に手が付けられません。それは今年のチーム成績が物語っています。
そして今年のカープの地に足の付いた戦いを思い出す為には「活躍しないといけない選手」がいます。
それは今年のカープで言えばタナキクマルの3人と新井さんです。
この4人が結果を出せばその瞬間に球場のムードが最高に盛り上がりますし、いつものカープがまた戻ってくるはずです。
あとの2戦はいつも通りのカープ野球、選手の地力を信じて相手チームを追い詰めていく野球が見たいと思っています。