野村祐輔が勝てる投手になった理由がよく分かった。
今日の先発は去年の最多勝投手の野村でした。
野村が勝てるようになった要因
野村と言えば6回で降板して定時退社と言われる事が多いですが、それでも6回まではしっかり試合を作ってくれる投手です。
6回までしっかり試合を作るからこそ勝ち星も増えてきますし、6回を投げ切るという事は序盤で大崩れしない、という事でもあります。
そんな野村の凄いところと言えば、「危ないフラグをことごとく断ち切る」ところです。
例えば今日の試合で挙げるなら、初回の先頭打者をストレートの四球で出す場面です。
これはもう投手が崩れる典型的なフラグです。
さらに盗塁の間に石原の悪送球が絡み、ノーアウトで3塁にまでランナーを進めてしまいます。
これも完全にフラグです。
それでも野村は、このフラグをキッパリと断ち、無死三塁の場面を無失点で切り抜けます。ここが勝てる投手らしさです。
また二回には平田の打球が投手強襲になり、またも先頭打者を出塁させてしまいます。
これも一般的には投手が崩れるフラグですが、ここも当たり前のように凌ぎ無失点で切り抜けます。
さらに3回には相手チームが早い仕掛けで、先発の若松に代打の溝脇を送り、この溝脇にプロ初ホームランを喫してしまいます。
こういう若い選手にプロ初ホームランが出るとチームは乗ってきそうなものですが、そういう流れを野村はきっちり断ち切ります。
その後はもう野村のペースですいすい乗り切り、当たり前のように7回を99球1失点で乗り切りました。
こういうピッチングが野村の真骨頂です。
去年よりさらに一段高いレベルの内角攻めができるかどうか
もちろんこういったピッチングができるのは、野村のピッチングフォームが安定していて、大崩れしないからです。
また去年は徹底的に内角を突くピッチングが野村の代名詞になりましたが、今日は相手チームが内角を意識しているのを見越して全体的に外中心の組み立てにしてきました。
それでも要所要所では、例えばゲレーロに対してなどは上、手くインサイドを突く事でさらに外角のボールを有効にしていました。
今年は相手チームもインサイドを意識してくるはずなので、今日のように去年よりも一段高いレベルで内角を使えれば、今年も野村はやってくれるはずです。
あとは野村の代名詞でもあるバッティングで結果を出せるのも勝てる要因のひとつです。
野村のバッティングは投手のバッティングのお手本とも呼べるバッティングです。本当に一連の動きに無駄がありません。素直にバットが出てきます。野手のようなバッティングではないですが、投手としては理想的なバッティングです。
8回からは飯田・中田廉のリレー
そして7-1という点差で野村の後を継ぐ投手は誰なのか、個人的に注目していましたが、ここで飯田・中田というリレーで来ました。
この継投が個人的に嬉しかったですし、去年までのようにこういう展開でも勝ちパターン投入、とならなかったのは去年優勝した経験が活きているのかなと思います。
そして肝心の飯田・中田のピッチングですが、二人とも今日のようなピッチングができれば、今年のカープのリリーフを縁の下から支えてくれる投手になってくれそうです。
飯田はランナーを出してからの身体の使い方が良かった
飯田は先頭打者を出してしまいますが、今年の飯田が良いのはクイック時の身体の使い方です。
今日はしっかり軸足に体重を乗せてから前に体重移動ができていたので、見ていて安心感がありました。
あの身体の使い方ができればランナーを出してからも落ち着いたピッチングができます。
むしろランナーがいない時の方が、イチニノサンのタイミングで投げてしまうので、ランナーがいない場面でもセットから投げた方が良いのかなとも思いました。
中田は腕が身体の近くを通り制球が安定する投げ方だった
中田も一度壊れてしまった投手なので過度の期待は持たないようにしたいですが、今日のようなピッチングができればまだまだ一軍で投げられます。
腕が身体の近くを通るのでコントロールが安定する投げ方ですし、腕が身体の近くを通る事でアームが短くなりますが、それを補うようにしっかり前に体重を乗せ、左股関節を支点に身体を上手く使っていました。
スピードガン的に140キロ台後半のストレートはもう期待できないですが、しっかり前に体重を乗せたストレート、あとはフォーク、スライダー、カーブ、シュートといった変化球を上手く使って、打者を打ち取ってくれます。
今年のカープは
黒田の穴は大瀬良と九里で埋めるとして、大瀬良と九里の穴は誰が埋める?http://i-think-about-hiroshima-carp.red/kuroda-oosera-kuri/
でも記事を書きましたが、とにかくリリーフの選手層がカギになります。
去年リリーフで投げていた九里と大瀬良が先発に回るので、去年このふたりがリリーフで投げた50イニングをどう埋めるのか。それは本当に今年のカープの大きな命題です。
そういった意味で、飯田や中田と言った選手がリリーフでイニングを稼いでくれるとチーム全体が助かります。
目立たない役回りとも言えますが、こういう投手の存在があるからこそ、チームは上手く回ります。
そういったチームにとって必要不可欠な役割を中田飯田がこなしてくれると本当に心強いです。
また今年密かに期待している中村祐太も二軍で幸先の良いスタートを切ったようで、今年は一軍で出番がありそうな気がして楽しみです。