大瀬良の松坂化現象
2015/07/31
ベンチから見ても今日の大瀬良は「荒れている」との見立てだったようですが、たしかに荒れていました。
今シーズンの序盤はできていた脱力ピッチングが今日はまったく影をひそめていました。1球1球全力というか端的に言ってフォームがバラバラでした。
とくに気になったのが、上体が前かがみになるところです。
力で抑えにかかろうとするから上体に力が入って前かがみになるんだと思いますが、上体が前かがみになると回転軸がブレます。
さらに腕が横振りになって腕の振りの軌道が1球1球バラバラになり、当然コントロールは悪くなります。
日本に復帰した時の松坂、というか去年のケガから復帰した松坂のピッチングフォームの悪い点がそのまま今日の大瀬良にもあてはまっているように見えました。
松坂はケガの影響で横振りで力を逃がさないとピッチングできないからああなっていたんだろうとは思いますが、大瀬良の場合はおそらく力で抑えたい、という意識の表れなのかなと思いました。
力で抑える、ストレートで抑える、というピッチャーの基本を忘れてはいけないですし、それは大事なことです。ただそのために上体に力が入っては本末転倒です。
力のあるストレートを投げたいならまず上体の力を抜く、というのがもっとも近道になります。
巨人の杉内投手が言っていた「上半身は水で出来ているイメージ」でとにかく力を抜いてリリースの瞬間に集約させることが大事になります。
上体の力を抜けば前かがみにならず上体もきちんと立ちます。そうすれば回転軸がブレずに一定になり、腕の振りも縦振りになって軌道も一定になります。
今日の試合に関しては継投策がどうのこうのというものではなく、単に大瀬良の松坂化現象がもたらした負けのように思えました。
もちろん今日は残念でしたが原因が明確である分修正も簡単です。大瀬良は修正力のあるピッチャーなので次の試合ではきちんと修正して臨み、ナイスなピッチングを見せてくれることを期待しています。