プレミア12雑感
プレミア12が終了しました。
日本は優勝を狙っていて、実際に準決勝の9回までは勝てる雰囲気が出ていましたが、結果的には9回に逆転されそのまま敗戦。
3位決定戦ではメキシコをコールドで破り第三位となりました。
準決勝の韓国戦は正直言って、見てる私も8回終了時点までは勝つ気でいたし決勝戦の皮算用を始めていました。
ただそれでも負けるのが1戦勝負のトーナメントの怖さなんだなと改めて思い知らされました。
大谷7回降板
大谷の7回降板に関してはしょうがないし妥当な判断だったと個人的には思っています。
7回終了時点で85球と球数自体はまだ行けそうな感じでしたが、7回は球も抜け球が非常に多かったのは事実です。
絶対に負けられない負けたら終わりの試合で7回まで気を張り、平均球速155キロとかいう異常な飛ばし方で投げていた訳ですしここでの降板は妥当でした。
もちろん大谷が8回にも投げていたらどうなったかは分からないし試合に勝利していたかもしれないですが、8回に大谷が打たれた可能性もありますし日本の至宝大谷が故障した可能性もあります。
則本が大瀬良と被って見えた
この大会の則本はカープで言えば大瀬良のような起用法で、「先発やってるんだし2イニングくらい投げられるでしょ」という安易とも言える起用法で投げていました。
今大会で最も負担が大きかった投手は誰かと言えばおそらく則本です。
そもそも準々決勝のプエルトリコ戦で9点差の8回に登板していますし、それに関して「あらかじめ決めていた」と監督もコメントしていますし、全体的に迸る大瀬良感がスゴイです。
準決勝も大谷が7回まで投げれば8,9回は則本で行くとあらかじめ決めていたというような監督のコメントもありました。
個人的にこれが疑問で、準決勝で則本に2イニング投げさせて決勝戦はどう戦うつもりだったんだろうと思ってしまいます。
則本抜きで決勝戦を戦うのか、それとも準決勝で2イニング投げた則本を決勝でもセットアッパー兼ストッパーとして起用するつもりなのか。
そこが個人的に微妙でした。もし決勝も投げさせるつもりだったのならカープでいえばもう大瀬良そのものです。
結局則本は準決勝のイニング跨ぎで力尽きた訳ですが、これで則本を非難することはは個人的にできないです。
牧田の起用は選択肢としてなかったのか
個人的には7回で大谷が降板したあとどうリリーフを繋げば良いかは色々考えました。
則本をクローザーにするなら8回は牧田で一度目先を変えて9回則本で乗り切るのが個人的に考えたもっともベターな継投です。
ただ今大会の投手選考や起用法がかなり150キロ本格派に偏りすぎていたし、牧田も選んだは良いけれど小久保監督の中で「球威球速」信仰があまりにも強すぎたため使えなかったのかなという印象は受けました。
国際試合は「初見での打ちにくさ」はかなりの武器になるので、大谷の後に牧田で目先を変えてあげるのは手段としては個人的にはアリです。
ただこればかりはチーム事情もあるので何が正解かどうかは分からないです。
9回バッテリーの配球は疑問が残る
9回に韓国打線が爆発した訳ですがその際のバッテリーの配球は少し疑問が残ります。
9回に則本が打たれたヒットは1人目も2人目もチェンジアップでした。
この時点でもう危ない感じがしていたけれど3人目にもフォークを投げてツーベースを打たれ失点します。
韓国打線が大谷対策でフォークを狙いに来てるのは試合序盤から見て取れましたが、なぜかここでバッテリーはチェンジアップやフォークを使っていました。
個人的には、大谷がストレートとフォークでゴリ押ししていたのなら、則本はせっかくキレキレスライダーを持っているんだしスライダーを使った横の配球をしていればまだ目先は変えられたようには思います。
そして1点取られ無死満塁の場面で松井が出てくる訳ですが押出し四球を与え降板して増井が出てきます。
増井はもう完全に大谷と丸被りの投手ですが、大谷と比べれば身長が低くストレートは7,8キロ遅い投手です。この交代が個人的に一番恐かったです。
案の定増井がイデホにまたも落ちる球のフォークを完璧に狙い打ちされ逆転ツーベースを打たれてしまいました。この場面は解説の大魔神佐々木さんも初球のフォークの見送り方からしてフォークは怖いと仰っていて、私もかなり同意しながら見ていました。
結局、9回に打たれた5本のヒットのうち4本はチェンジアップやフォークなど落ちる球。
大谷がストレートとフォークでゴリ押しした後の配球としては疑問が残るものでした。
選手選考や起用法がビッグベースボールに偏りすぎた印象
今回のプレミア12で選ばれたリリーフ投手は楽天・松井、日ハム・増井、巨人・澤村、DeNA・山崎の4人です。
全員素晴らしい好投手ですが、全員速球派で落ちる球が武器の投手です。
さらに牧田を選んだものの大谷の後は則本2イニングで乗り切ろうとしたあたり、小久保監督の中で球威や球速など分かりやすいビッグベースボール志向が顕著だったように思えます。
攻撃面でもほとんど選手が打てれば勝てる、打たなければ負けるというビッグベースボール志向の強い戦い方でした。
もちろんスモールベースボールが強いとかいう訳じゃないし、中畑監督が解説していたような何でもかんでも動けば良いという訳ではないし、球が荒れているなら動かず待った方が良いです。
ただ今プレミア12では戦い方がビッグベースボールに偏りすぎ、レパートリーが少なすぎた感はどうしても残ります。今大会は中田が爆発して助かったものの、中田が打たなかったら負けていた試合も何試合かはあった気がします。
攻撃はとにかく打つ連打連打の野球で、投手は150キロ超の本格派と落ちる球頼み。まぁ清々しい程のビッグベースボールでした。
ペナントレースで実力優位ならビッグベースボールゴリ押し戦法の方が通算勝率は良くなりますが、短期決戦ではなかなかそうはいかないようです。
次回のWBCは又吉に期待したい
結局今大会はリリーフが同タイプばかり揃った印象が強かったです。
例えば今大会の選手のなかに全盛期の岩瀬がいれば準決勝も勝てたと思うし、全盛期の高津がいれば大谷の後の継投も楽になったと思います。
ただ今の日本に岩瀬や高津はいないので、できれば次回のWBCは又吉あたりが復調していて欲しいと思いました。
このブログはカープについてのブログなのでこのくらいでプレミア12については終わります。